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王朝文学文化研究会 


文学文化舎


二人の女房が書き残したもの~『枕草子』と『源氏物語』-高崎市倉賀野公民館(8回)

 

【概要】

清少納言と紫式部とは、同じ時代の宮廷社会を生きた「女房」でした。二人がそれぞれ仕えた主人は、一条天皇(在位986-1011)の后である皇后定子と中宮彰子です。「女房」である以上、二人は、自身の主人のために、女房としての役割を懸命に果たしたはずです。その最大の成果が、『枕草子』と『源氏物語』ということになるでしょう。

今回は、両作品とも、「女房」としての立場で「主人」のために執筆したもの、という観点から、その本質に迫ってみたいと思います。『枕草子』も『源氏物語』も、同じ時代を生きた「二人の女房」が、それぞれの主人のために書き遺した魂の叫びでありました。その深くも強烈なメッセージに耳を傾けてみましょう。

 

【各回内容】

10/3  はじめに―紫式部の怒り~『紫式部日記』の清少納言批判

10/17 清少納言と紫式部は面識があったのか?~中関白家の凋落―歴史のはざまで

11/7  『枕草子』の謎~「回想章段」にはなぜ不幸がないのか?

11/14 「女房」としての清少納言~『枕草子』は皇后定子に捧げられたもの

11/21 物語作家としての紫式部~リアリズムの追求―「日本紀などはただかたそばぞかし」

12/5  『源氏物語』の相対的二面構造~「帚木三帖」―光源氏の「光」と「影」

12/12 没落の人々へのまなざし~『伊勢物語』と『源氏物語』そして「宇治十帖」

12/19 紫式部の魂の叫び~『源氏物語』は中宮彰子とともにある

 

※本内容は、令和5年度渋谷区文学文化教養講座で取り上げました。