源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

2012年度 土曜部会報告


12月22日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

参加者 美濃島さん、浦川さん、能登谷さん、大野(4名)

12月22日の土曜部会は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」でした。若紫巻221頁13行目から、223頁10行目までを読みました。 小見出しでは「源氏、帰京した若君を訪れ、乳母の小納言と歌を詠み交わす」です。いろいろと話が脱線してしまって、音読できた個所は短かったです が、大変楽しく勉強になる時間でした。今年は本日で終了です。どうもありがとうございました。来年もどうぞ奮ってご参加ください。

大野


12月15日

 

参加者 浦川さん、齋藤さん、能登谷さん、大野(4名)

12月15日の土曜部会は、古今和歌集でしたが、事前に担当者が決まっていなかったので、源氏物語と同じく、1~30番歌までを音読いたしました。参加者のみなさんが持っている本が異なっていたため、時折言葉が違ったり、順番が入れ替わっていたりしていたので、説明を加えながら読んでまいりました。いろいろなご質問が出ました。特に在原業平の和歌について、伊勢物語と古今集 > との関係についてなどは、次回ぜひ河地先生におうかがいしたいと思います。今年は次回12月22日の1回となりました。どうぞ奮ってご参加ください。

大野


11月24日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

参加者 古田さん、美濃島さん、浦川さん、大野(4名)

11月24日の土曜部会は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」でした。若紫巻216頁9行目から、221頁12行目までを読みました。小見出しでは、「北山の尼君、帰京、源氏、その邸を訪れて、あどけない少女の声を聞く」「翌日も尼君に病気見舞の消息、少女への思いがつのる」「尼 君死去」の部分でした。文節の切り方など、わかりづらい箇所が多く、一度音読したあとで、説明を加えながら読み進めました。

大野


11月10日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

参加者 美濃島さん、佐藤さん、吉川さん、大野(4名)

11月10日の土曜部会は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」でした。若紫巻213頁14行目から216頁8行目までを読みました。小見出しでは、「源氏と藤壺の懊悩 藤壺、源氏の子をやどす」「源氏、不思議な夢を見て、藤壺の懐妊の真相を思い合せる」「七月に藤壺参内」でした。 今回の箇所には、「しるう(しるく)」「けしきなう(なく)」「及びなう(なく)」など音便が頻出し、文章をどこで切って読むのかがわかりづらい ところが多かったです。くり返し読むことで、慣れていっていただければと思います。

大野


10月20日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

参加者 河地先生、美濃島さん、浦川さん、能登谷さん、齋藤さん、吉川さん、大野(7名)

10月20日の土曜部会は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」でした。若紫巻209頁5行目から213頁13行目まで、小見出しでは、「源氏、北山の少女を忘れかねて、尼君と文通」「藤壺との逢瀬」」までを読みました。今回も、一度音読した後、場面の説明や文法的なこと、文節の切り方などを解説した後、再度同じところを読み返すという形ですすめました。 また、後半では、新入会員の方の為に、河地先生がパソコンを使って本研究会のホームページの使い方や掲示板への書き込みについてなどの説明をし てくださいました。

大野


10月6日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

参加者 河地先生、酒巻さん、川畑さん、能登谷さん、浦川さん、大野(6名)

10月6日の土曜部会は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」でした。 若紫巻201頁1行目から209頁4行目まで、小見出しでは、「源氏、参内して帰京の挨拶をし、左大臣に伴われてその邸におもむく」「源氏、葵の上との不仲」」までを再度読みました。 前回の反省を踏まえ、今回は、小見出しごとに音読し、読みにくかったところや、文法的な切り方、場面の説明などを加えて、その後もう一度同じ個所を読む、というスタイルですすめてみました。 進み方は格段に遅くなりましたが、読んだ時に疑問に思ったところなどをうかがいながら、読んでいったので、以前より理解度が深まったかな、と思います。 しばらくこのスタイルでやってみて、また不都合な点があれば、随時修正しつつ、声に出して読んでいきたいと思います。

大野


7月14日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

出席者 河地先生、野呂先生、酒巻さん、齋藤さん、佐藤さん、浦川さん、川畑さん、神田さん、大野(9名)

1本日7月14日は、まずH24年度探訪旅行「奥州みちのく」について、河地先生によるパソコンを用いたご説明がございました。 日程は、8月26、 27日の二日間。皆様どうぞ奮ってご参加ください。それから、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」の第3回目、若紫巻207頁1行目~221頁1行目までを読みました。今回、内容の説明をあまりせずにとばしてしまったので、少々反省しております。次回は、今回読んだ部分も含めて、もう少し内容的な解説をするとともに、音読する上で、どこで区切るのか、という文法的な説明なども行ってまいりたいと思います。特に、「な(ン)めり」「あ(ン)めり」「た(ン)なり」「べか(ン)めり」などの撥音便(はつおんびん)「ン」の無表記の読み方は、やはりなかなかむずかしいようです。 ただ、きちんと覚えてしまえば、内容の理解も深まり、より源氏物語が楽しく読めるようになると思いますので、がんばってまいりましょう。

大野


7月7日『古今集』資料

 

発表者:古田

参加者:河地先生、大野先生、川畑さん、酒巻さん、齋藤さん、浦川さん、佐藤さん、美濃島さん、馬淵さん

58・59番歌を担当させていただきました。今回担当した二首は共に貫之の詠歌です。貫之の歌が後世の和歌に影響力を持つことを鑑みると、同様の歌が貫之詠の影響下にあることが否定しにくいことがあります。それだけに、例歌をあげにくいところではありますが、もう少し漢詩からの影響なども掘り下げて考えてみなければいけないように思いました。

生憎の曇り空での七夕となりましたが、歌はもう少し春上が続きます。それでも、今年中には巻一が終わりそうですね。楽しみです。

古田


7月14日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

出席者 河地先生、野呂先生、酒巻さん、齋藤さん、佐藤さん、浦川さん、川畑さん、神田さん、大野(9名)

本日7月14日は、まずH24年度探訪旅行「奥州みちのく」について、河地先生によるパソコンを用いたご説明がございました。日程は、8月26、 27日の二日間。皆様どうぞ奮ってご参加ください。それから、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」の第3回目、若紫巻207頁1行目~221頁1行目までを読みました。今回、内容の説明をあまりせずにとばしてしまったので、少々反省しております。次回は、今回読んだ部分も含めて、もう少し内容的な解説をするとともに、音読する上で、どこで区切るのか、という文法的な説明なども行ってまいりたいと思います。特に、「な(ン)めり」「あ(ン)めり」「た(ン)なり」「べか(ン)めり」などの撥音便(はつおんびん)「ン」の無表記の読み方は、やはりなかなかむずかしいようです。ただ、きちんと覚えてしまえば、内容の理解も深まり、より源氏物語が楽しく読めるようになると思いますので、がんばってまいりましょう。

大野


7月7日『古今集』資料

 

発表者:古田

参加者:河地先生、大野先生、川畑さん、酒巻さん、齋藤さん、浦川さん、佐藤さん、美濃島さん、馬淵さん

58・59番歌を担当させていただきました。今回担当した二首は共に貫之の詠歌です。貫之の歌が後世の和歌に影響力を持つことを鑑みると、同様の歌が貫之詠の影響下にあることが否定しにくいことがあります。それだけに、例歌をあげにくいところではありますが、もう少し漢詩からの影響なども掘り下げて考えてみなければいけないように思いました。

生憎の曇り空での七夕となりましたが、歌はもう少し春上が続きます。それでも、今年中には巻一が終わりそうですね。楽しみです。

古田


6月23日『古今集』資料

 

出席者は、河地先生、野呂先生、大野先生、川畑さん、酒巻さん、齋藤さん、浦川さん、佐藤さん、美濃島の9名でした。

はじめに前回の続き54、55番歌の2首を大野先生が、次の56、57番歌を美濃島が担当させて頂きました。54番歌「なくもがな」について、「もがな」の文法上の解釈の相違が松田新釈と新全集にありました。55番歌は、「見てのみや」見て話すだけでは、桜のすばらしさをつたえられない、桜の花を手折って土産にしよう、という歌意です。56番歌は、都の象徴でもある柳の緑と桜の白を「春の錦」に見立てて、素性法師が詠んだ眺望の歌です。錦は秋の紅葉にたとえられるもので、柳と桜の比喩で用いられるのは『古今集』ではこの一首だけです。57番歌は、「さくらめど」に「桜」を物名として詠み込んでいるという説があり、『古今集』の撰者でもある紀友則は、言葉遊びが得意であったので、「さくら」を詠み込んでいるという説は否定し切れないものがある。

次回は、7月7日『古今集』(58、59番歌)古田さんの発表です。

美濃島


6月16日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

出席者 本橋さん、美濃島さん、谷中さん、浦川さん、齋藤さん、大野(6名)

本日6月16日は、「声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!」の第2回目で、若紫巻193頁2行目~206頁14行目までを読みました。新潮日本 古典集成の見出しでは「源氏、僧都の坊に招かれて泊り、少女の素性を聞く」「源氏、少女を引き取りたい希望を僧都にもらす」「源氏、尼君に歌を詠 みかけて、意中を訴える」「明け方、源氏、僧都と歌を唱和する」「源氏、僧都、聖と惜別の歌を詠み交わす」「源氏、迎えの君達と宴を張ってのち帰 京」の部分です。黙読ではわかっていたつもりでも、実際に声に出して読んでみると、どうよんでよいのかわからないところが多くでてきます。たとえ ば「女」と書かれていても、「をんな」と読むのか「むすめ」と読むのかで、意味合いが異なってきます。そういったところなどを意識しながら、読み 進めていくことで、読解力がだんだんと身についてくるようになることでしょう。次回は、207頁からとなります。若紫巻のみならず、源氏物語全体 でも重要な場面の一つである源氏と藤壺の宮との逢瀬が描かれる場面を読みます。どうぞ奮ってご参加ください。

大野


6月9日『古今集』

 

出席者 野呂先生、古田くん、美濃島さん、齋藤さん、浦川さん、大野(6名)

6月9日は、『古今和歌集』の日でした。発表前に、まず『古今集』の主だった注釈書を持参し、その紹介をいたしました。『古今集』については、八 代集のなかでもっとも多くの注釈書が出されています。手に取りやすい叢書のシリーズとしては、岩波書店から出版されている「旧大系」「新大系」、 小学館の「旧全集」「新全集」、新潮社の「集成」などがあり、それぞれの特徴について説明しました。その他、個人が執筆したものとして、窪田評 釈、松田新釈、竹岡全評釈、片桐全評釈の4つ、文庫本として、高田祐彦の角川文庫、小町谷照彦のちくま文庫などがあることを紹介しました。同じ和 歌についても、それぞれの注釈書で見解が異なっていたりします。そういったところを問題点としてあぶりだして考察していくと、より面白い発表がで きるようになると思います。

本来ならば54、55番歌と2首の予定でしたが、54番の途中で終わってしまったので、続きは6月23日に発表となります。

大野


5月12日"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"

 

見学者:本田さん(通信)、浦川さん(二部)

参加者 齋藤さん、美濃島さん、川畑さん、酒巻さん、市川くん、古田くん、大野 (9名)

若紫冒頭183頁~193頁1行目まで。

平成24年度の活動がいよいよはじまりました。5月12日は、"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"の第1回目でした。見学者も含め9名で 『源氏物語』若紫巻の冒頭から読み始めました。新潮日本古典集成の見出しでは、「源氏、おこりをわずらい、北山の聖を訪ねる」~「源氏、僧都の坊 に美しい少女(後の紫の上)を垣間見る」の部分です。今回、参加者が色々なのテキストをお持ちになっていたので、句読点や会話文の「 」(カギ カッコ)の位置が異なる箇所があり、なぜそのような違いがあるのか、ということなどが話題に上り、見学者の方も含め、活発な質疑応答が行われまし た。2回目の"声に出して読もう!ゲンジモノガタリ!"は、6月15日になります。どうぞ奮ってご参加ください。

大野


4月21日前期スケジュール確認

 

出席者:川畑、斉藤、美濃島、古田、大野、河地
今年度前期のスケジュールを確認。源氏物語は、5月12日、6月16日、30日、7月14日。古今集は、発表担当者も決定。6月9日(大野)、6月23日(美濃島)、7月7日(古田)、7月21日(未定)。なお、総会と懇親会は6月2日の予定。探訪調査旅行は、「奥州みちのく」をテーマに、8月26日(日)、27日(月)。

河地