源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成21年7月15日 第6回 水曜部会

【報告】
本日の研究会は大学のテストと重なったせいでしょうか、6名だけでした。 しかし文学部の授業はテスト期間よりも授業最終日にテストを行うことが多いと思うのでそれは仕方のないことだと思います。
本日、議論となりましたのは「例」という漢字を「れい」と読むか「ためし」と読むか、 そして『源氏物語』はたしかに史実を元にしているところがあるけれど、実際的には虚構の物語であるということなどでした。
『源氏物語』を読んでいると光源氏や桐壺帝など作中の登場人物は実際に存在し、本当にあった話のように思えてしまいます。 物語という虚構を実際の話のように感じさせてしまうところに、『源氏物語』が長らく読み継がれてきた理由があるように思いました。

学部3年 

 


※資料 (アクセスキーを入力してください)
  桐壺巻「若宮、母の喪により里邸に退出」