源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年1月16日 第15回 土曜部会

【報告】
1月16日土曜日。本日が今年度最後の王朝文学文化研究会でした。参加者は6名、発表者は下河です。
担当箇所はテキスト23~24ページ、古今集巻第一・春歌上の3から7までの歌です。これら5つの歌は、新年度の発表箇所である8と9の歌を合わせて「残雪七首」と呼ばれています。
この部分になると、貫之たち撰者が何故この歌をここに配置したのか、ということが見えてきます。年内立春を迎えた歌に続いて配置されているこれらの歌には、「雪は降りつつ」「とくらん」という結句が用いられ、さらには雪を花に見立てる技法が用いられています。雪が降っているためまだ寒さが残り、暖かな春への憧れを抱きながらもその様子を楽しんでいるように歌の配置から感じ取ることができます。
歌の意味を取ることも大事ですが、歌がどのように配置されているのかということに着目することも大事なようです。
次回は新年度4月10日が土曜部会の最初となります。私も都合がつけば参加したいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

4年 下河佐登子

 


※資料(アクセスキーを入力してください)
  『古今和歌集』春歌上、3~7番歌(p23~p24)