源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年5月29日 第20回 土曜部会

【報告】
  参加者は、総会当日ということで、18名という盛況ぶりでした。
  河地、野呂、大野、石澤、堀、山本、古田、高橋(祐)、田辺、鈴木(千)、深瀬、高橋(剛)、大川、川畑、美濃島、小関、市川、熱田 (敬称略)
  少し間が空いてしまいましたが、5/8にお配りした資料の続きとして、9~11番歌を担当させていただきました。いずれも春に入りながらも、春らしい花や鶯の鳴き声がまだない中での歌が配列されています。 発表内容に関しては、9番歌について「霞たちこのめも」は「春」を導く序詞としたところ、河地先生から「序詞」は下の歌句に全く関わらずに、「春」のような語を導くものを指すのではないか、とのご指摘をいただきました。 確かに、「霞」も「木の芽」も春に関わる景物で、下の句と直接関係はありませんが、方向性は同じですので、「序詞」とは言い難いかもしれません。歌の主意とは関わらないとは思いますので、「序詞的表現」などとした方が適切であろうかと思いました。 また、10番歌の【語釈】で、「12番歌を除いて、18番歌まで鶯の歌」としましたが、これは「12番歌を除いて、16番歌まで鶯の歌」の誤りです。各自訂正をお願いします。
  次回は6/5で、田辺さんが担当予定です。

古田


※資料(アクセスキーを入力してください)
   『古今和歌集』8~11番歌(p24~p25)