源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年6月2日 第25回 水曜部会

【報告】
  6月2日の水曜部会は、先生方を含めて8名の参加でした。テキストの33頁2行目~33頁13行目「藤壺の女御の入内(1)」を読みました。
  年月の経過に加えてますます、帝は亡くなった桐壷御息所の御事をお忘れになる折りがない。「御息所」は桐壷更衣への敬称。若宮(光源氏)の母として尊ぶ心が込められている。以下、物語は故更衣へのつのる思いが代替の女性を舞台に呼び寄せ、次の展開へと発展させていく。

  大野先生より、「入内」はその女性の一族が財力をかけて豪華な儀式を挙行することでもあり、明石の姫の時も豪華であったとのお話をして下さいました。 普通は一族の悲願をもって宮中に送り込まれたのであるが、先帝の四の宮の場合、帝の方が入内を望んだことで、ほかの妃たちとは違う登場の仕方である。
  ⑦の「ほの見る」の注釈について、古田さんより解釈について「ちらと見る」のではないか?とのお話がありました。
  「反省として、多くの参考文献に目を通した為、どの本の説を採って良いのか、わからずに混乱してしまいました。 さらに、出典も明らかにすることが大切だという事も学びました。ご指導ありがとうございました。
  次回は、6月9日 高橋裕美子さん「藤壺の女御の入内(2)」です。

美濃島 千鶴


※資料(アクセスキーを入力してください)
  「桐壷巻」33p L.2~33p L.13