源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年7月3日 第24回 土曜部会

【報告】
  参加者は、河地、野呂、古田、鈴木(千晶)、田辺、大川、川畑、酒巻、市川(敬称略)の9名でした。 まず、漢字の変換ミスやパソコンの打ちミスをお詫びします。なかなか上達しませんが、現段階の私のレベルの報告でもあります。
  23番歌は在原行平の歌ですが、漢詩に優れていた人物であることが「霞の衣」という表現からわかります。「霞の衣」という表現は、唐詩にある「霞衣」からの着想であろうとの指摘が注釈書にありました。
  24番歌は、「一入」という言葉に注目しました。調べた結果、この語が衣の染料から来ている表現であることがわかりました。前後に「衣」の歌があるのも、「衣」との縁語関係ととらえることができそうです。「色」も「衣」と密接な関係にある言葉です。

酒巻 晴己


※資料(アクセスキーを入力してください)
   『古今和歌集』23~24番歌(p27~p28)