源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐

上:『源氏物語』の「胡蝶」巻で、紫の上は、秋好む中宮の「季の御読経」の催事に際して供華を行ったが、その時の使者として遣わされたのが、「迦陵頻」と「胡蝶」を舞う童子たちであった。庭の舞を見る画面奥の秋好む中宮と光源氏、春爛漫の六条院、西南の町である。

源氏物語小屏風絵-胡蝶-
(個人蔵、江戸初期)

下:「龍頭鷁首を、唐のよそひに、ことことしうしつらひて、楫取の棹さす童べ、皆みづら結ひて、唐土だたせて、さる大きなる池のなかにさし出でたれば、まことの見知らぬ国に来たらむここちして」―『源氏物語』「胡蝶」巻より

源氏物語小屏風絵‐胡蝶‐
部会報告
平成22年7月10日 第25回 土曜部会

【報告】
   参加者は野呂、田辺、川畑、酒巻(敬称略)と発表者の市川の5人でした。今回は25、26番歌を担当しました。所々誤字や脱字があり申し訳ありませんでした。

   25番歌の「衣はるさめ」は「衣を(洗い)張る」が「春雨」の序詞となっています。また、この歌は女の立場に立って詠まれています。この歌ではなさそうですが、女の立場に立って詠まれる歌は屏風歌となっているものもあるそうです。さらに読み進めていけば出会えるかも知れないので楽しみにしていたいと思います。

   26番歌は「青柳が糸を撚りかけている」など現代では想像がしにくく、イメージが難しい歌でした。「みだれて」も花が乱れ咲いているのではなく、撚りかけた糸が風で乱れているという意味でなかなか難しい表現でした。しかし、当時の人がどのように春を感じていたのかが垣間見え、なかなか面白い歌だと感じました。

   25、26番歌ともに貫之独特の世界が展開されていて興味深いものでした。また、自分自身初めての発表ということでとても勉強になりました。

市川 直人


※資料(アクセスキーを入力してください)
   『古今和歌集』25~26番歌(p28)